今年もこの季節がやってきました!
グループ会社のファイナンシャルアカデミーが実施した「キャッシュレスとお年玉に関する意識調査」の今年の結果をご紹介します。
2020年も残すところ3週間。
いまだ新型コロナウイルスは収束の兆しを見せず、年末年始の帰省についても普段と異なる様相になりそうな中、2021年のお年玉はどのようになるのでしょうか?
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〈この調査でわかること〉
□ お年玉のキャッシュレス化、過半数が賛成
□ コロナをきっかけに、賛成派が増加
□ 賛成派「コロナ感染リスク軽減」、反対派「ありがたみがわからない」の声
□ しかし、実際にキャッシュレスでお年玉を渡す人は、未だ1割
□「キャッシュレスのお年玉」の理由、トップは「コロナ対策」
□ キャッシュレス化で子どもの金融経済教育、8割の親が「さらに重要になる」
※末尾に専門家考察あり
■「キャッシュレスのお年玉」過半数が賛成!コロナを機に昨年より増加
全国の子を持つ男女300人に、「お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか?」とたずねたところ、「とても良いと思う」が10%、「まあ良いと思う」が41%と、過半数の人がキャッシュレスのお年玉に対し肯定的な考えを示しました。過去2年間に実施した同調査(※)では、賛成派が30%台だったのに対し、2021年はお年玉のキャッシュレス化を肯定的に考える人が増加しており、これは次に述べる通り、新型コロナウイルスの影響が一つの要因であることがわかりました。※調査対象者の条件は同じ
Q.お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか?
A. とても良いと思う=10%、まあ良いと思う=41%、あまり良いと思わない=33%、全く良いと思わない=16%
■賛成派の声「コロナ感染リスク軽減」、反対派は「ありがたみがわからない」
前問の回答理由をたずねたところ、キャッシュレスでのお年玉賛成派は、昨年までの 「支払いが便利」という声に加え、今年は新たに、新型コロナウイルスに関連した「非接触なので感染リスクを軽減できる」「帰省自粛で会えなくても贈ることができる」といった声も聞かれました。一方、反対派は「お金のありがたみ、価値がわからない」という意見が、圧倒的多数となりました。
▽お年玉のキャッシュレス化に対する、賛成・反対理由
【賛成派の理由】
1位: 支払いが便利(23人)
2位:コロナ関連(衛生面・帰省ができない)(21人)
3位:現金や財布を持ち歩かずに済む(19人)
4位: 時代にあっている(18人)
5位: ポイントが貯まる(10人)
ほか: 新札・ポチ袋などの準備が必要ない。現金より管理がしやすい。子供の成長のため。など
【反対派の理由】
1位: お金のありがたみ、価値がわからない(60人)
2位: 伝統だから、情緒がない(20人)
3位: セキュリティが不安(12人)
4位: 現金のほうが使いやすい(5人)
5位: キャッシュレスは使いすぎが心配(2人)
ほか:渡す側がキャッシュレスに慣れていない。スマホを持っていない。一つにまとめられない。など
■過半数が賛成でも、実際にキャッシュレスでお年玉あげる人は、未だ1割
「2021年のお正月、子どもにお年玉をどのようにあげますか?(親戚の子ども等含む)」とたずねたところ、「キャッシュレスであげる」という人は、実際には全体の約1割に留まりました。当校が過去に行なった同調査と比較すると「キャッシュレスでお年玉をあげる」と回答した人は、2019年は4%、2020年は7%であったため、わずかな増加傾向が見られました。
Q.2021年はお年玉をどのようにあげますか?
A. 現金であげる=72%、キャッシュレスであげる=9%、あげない=19%
■2021年のお年玉、キャッシュレスであげる理由のトップは「コロナ対策」
前問で「お年玉をキャッシュレスあげる」と回答した人にその理由をたずねたところ、「新型コロナウイルス対策として衛生面で安心だから」「帰省自粛で現金のお年玉を渡せないから」といった今年ゆえの理由が同率で首位となりました。なお、キャッシュレス手段としては「◯◯Payなどのスマホ決済」「nanacoなどのプリペイド型電子マネー」「Suicaなどの交通系ICカード」が上位にあがりました。
■「キャッシュレスでお年玉」をあげる理由
・新型コロナウイルス対策として衛生面で安心だから(12人)
・新型コロナウイルスによる帰省自粛で現金のお年玉を渡せないから(12人)
・お年玉をあげる側が便利だから(11人)
・時代にあっているから(11人)
・お年玉をもらう側が便利だから(9人)
・キャッシュレスに慣れさせたいから(9人)
・すでに子どもがキャッシュレス化しているから(7人)
・利用履歴を確認しやすいから(5人)
・現金を持ち歩かせたくないから(5人)
■「キャッシュレスでお年玉」の手段
・スマホQR決済(PayPay・LINE Payなど)(19人)
・プリペイド型電子マネー(nanaco・WAON・楽天Edyなど)(14人)
・交通系ICカード(Suica・PASMO・PITAPAなど)(11人)
・図書カード(6人)
・QUOカード(4人)
・デビットカード(1人)
・その他(1人)
■キャッシュレス化で子どもの金融経済教育、8割の親が「さらに重要になる」
「キャッシュレス社会になると、金融経済教育のあり方が変わる(さらに重要になる)と思いますか?」とたずねたところ、約8割の人が「そう思う」と回答し、キャッシュレス化に伴い子どもの金融経済教育は今まで以上に必要だと感じている人が多くいることがわかりました。
Q.金融経済教育のあり方が変わる(さらに重要になる)と思いますか?
A. とてもそう思う=25%、まあそう思う=54%、あまりそう思わない=16%、全くそう思わない=5%
〈専門家考察〉
■お年玉はお金を学ぶ絶好のチャンス!現金・キャッシュレスとも「実体験」が重要。
過去2年の調査と比較すると、顕著な意識の変化が見られた今回の調査。新型コロナウイルスの影響はもちろん、2020年10月以降の政府によるキャッシュレス化推進施策もあり、親自身がキャッシュレス決済に慣れたことが、「キャッシュレスのお年玉」を、より肯定的に捉える要因になったと考えています。
お年玉は子どもたちにとって、お金について学ぶ絶好の機会。自分自身で簡単な計算ができるようであれば、家庭でも少しずつ金融経済教育を始めてみましょう。お金には「交換」「価値の保存」「価値の尺度」という3つの機能がありますが、これらを学ぶには実践が一番。まずは現金を使って、買い物をする、貯金をする、同じ金額で買えるものを考えてみる、といったことに挑戦してみてください。その際、大切にしてほしいことが「計画性」と「自分にとって価値を感じるものにお金を使う」ということ。お金を使った結果だけでなく、使う前に買い物計画を立てられるようなお小遣い帳で「計画性」を養い、さらに「自分にとって価値のある買い物だったかどうか」を、毎回5点満点でジャッジするなどして振り返る習慣を作れたら、自然とお金を上手に使えるようになります。
お金そのものとの付き合い方がわかれば、キャッシュレス決済にトライしてみることも良いと思います。いきなりキャッシュレス決済から始めると、お金の増減を「ただの数字の変化」だと捉えてしまう危険性もありますが、現金を扱える力がしっかりと身につけば、たとえ形が変わったとしても大きな心配は要りません。時代に応じたお金を正しく扱える力は、これからの子どもたちに必要です。
福田 祥子/ファイナンシャルアカデミー講師
大手教育系企業で幼児・小中学生対象の講師育成等に従事した後、 今後より一層必要とされる金融経済教育に可能性を感じファイナンシャルアカデミーに参画。現在は小学生向け講座の講師を務めるほか、様々な企画や執筆を通して情報発信をしている。
〈調査概要〉
調査テーマ :「コロナ禍のキャッシュレスとお年玉に関する意識調査」
調査方法: インターネットによるアンケート調査
調査地域: 全国
調査対象 :子どもがいる男女300名
男女比:男性 50%、女性 50%
年齢構成:20代 2%、30代 11%、40代 33%、50代 54%
調査実施日 :2020年11月2日(月)